又吉直樹『劇場』おもしろかった。
読み終わった小説がつまらんかったときに、「この成分が足らんかったから、つまらんのでは?」ということをたまに考える。その成分とは、風景 会話 感覚 理屈 感情 事件 意見 感傷 御託 風穴などで、私が自分の満足の条件なのでは?と勝手に考えているだけのもので根拠もくそもないが、『劇場』には足らん成分がないように感じた。ようは、満足して読み終わった。
"読んでいる時間にしかない"(保坂和志) ような、小説としてのおもしろさ?がありながら、あとから部分的に参照しようと思う箇所もたくさんあって、、まあそれはあたりまえか。でも折り目もつけずふせんもつけずいっきによんでしまった。いっきによめることが、おもしろいことではないが(わかってます風のいらんエクスキューズ)。
あと、私はこの作品を演劇をやっていなくても好きになったと思う。
全てを笑い飛ばさなくても、っていうのは太宰についてのなんかのインタビューで著者が言ってたなと思いだした。
笑えるところもまんべんなくあってふざけるって最高、と思ったし、怖がられるくらいおかしな部分を出していきたい、もっと怒っていきたいとも思わされた。
「青山」とのメールのやりとりが爆笑もんで、よかった。私は今まで苦情や説教のメールやLINEとにかく自分にとってつごうのわるいものは終わったらまるごと消してしまうようにしていたが(個人宛のプライベートなメールに限った話)、あとから読んだらきっとおもしろいだろうから何かの形で残しておいたほうがいいかもなと思った。怒ってるというそれじたいがおもしろいもんな。まあ怒られたらほとんど嫌いになるけど。